現在開催中の「前田常作・観音マンダラ 花と星座」展。
南養寺大悲殿観音堂で、大晦日にだけ公開される天井画64枚のうち、花と星座(宮)をテーマにした18枚をリトグラフにしたものが展示されています。
前田常作(1926~2007)は初期には抽象表現による社会派的作品、又は生命への洞察を通した作品を描きましたが、その後、宇宙的観想世界や仏教マンダラの世界をテーマにした作品を描き続けました。
その最後の作品とも言えるものが南養寺大悲殿(観音堂)の天井画です。
晩年になり、国立市内の南養寺より依頼され、また国立の人々も切望する中、平成17年春、境内の観音堂に64枚の天井画を描き上げました。
第二次世界大戦中、学童疎開児や戦災孤児のために堂内で煮炊きをしていたせいで、天井が真っ黒に煤けてしまい、残念に思っていた住職と「国立の自然と文化を守る会」の働きかけで、国立市在住で元武蔵野美術大学学長の前田氏が天井画を描くことになったそう。
お寺に奉納されたマンダラと聞くと、枯れた渋い画だと思ってしまいますが、前田氏のそれはとてもポップ!
モチーフが占星術でおなじみ12星座だったり、レインボーカラーを駆使した色づかいなど、とても現代的なタッチでわくわくしてしまいます。
これらが天井いっぱいに広がっている観音堂は、まるで宇宙への入口のよう。
大晦日が待ち遠しくなる展覧会です。
◉前田常作・観音マンダラ 花と星座
http://meisoujoukikan.net/event
~2018年7月28日(土)
明窓浄机館(めいそうじょうきかん)
国立市中2丁目4−3
開館:10:00~17:00/日曜・祝祭日休
入館料:100円(中学生以下は無料)
Map
https://goo.gl/maps/ahUwwkR5dgn